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人工知能が「新薬開発の標的」を探し出す!...ソウル大学医学大の教授チーム、疾病と治療に影響を与える遺伝子発掘のためのAIアルゴリズム開発

2022-05-13    hit . 59763


マルコポーロ・アルゴリズムの作動原理の概略図

2022.05.11 16:12

ソウル大学校の新進教授の中で、優秀な研究で認められた医科大学のハン・ボム教授とジョン・ギフン教授の研究チームが
人工知能を適用して疾病の発生と治療に重要な遺伝子を発掘する「Marco Polo(マルコポーロ)」アルゴリズムを開発。

これにより、抗がん免疫治療、幹細胞の研究などの主な医生命研究分野で最近急激に大化けしている
単一細胞RNAシークエンス分析法の画期的な発展の転機を作って、
多様な疾病のメカニズムを明らかにし、高付加価値を創出する新薬開発のターゲット選定に中核の役割をすると期待される。

疾患の発病メカニズムを研究し、これを通じて成功的な新薬開発を進めるためには、
疾病の治療ターゲットになれる細胞の種類と「マーカー遺伝子」を発掘しなければならないのであるが、
最近は単一細胞RNAシークエンス技術が開発されて広く活用されている。

このような単一細胞の転写体(トランスクリプトーム)分析は、細胞一つ一つの遺伝子の発現量を個別的に測定できるため、
希細胞などの特定の細胞群を同定し、その特定細胞の種類だけで発現される中核マーカー遺伝子の発掘を可能とする。

しかし、従来の単一細胞転写体分析の最も大きい問題は、細胞種類それぞれをクラスタリングしながら定義する過程で、
主観的な要素が大きく作用して、細胞種類の正確な区分において度々誤りを犯すとのことである。

即ち、基本的に実験から導出された細胞の情報が分類されてない状態のままで研究者に与えられるため、
研究者たちは細胞を主観的な基準によって、又は既存学界の間違っている報告によって分類する従来の方法論を優先的に適用することになるが、
この方法論の正確度が低いため、細胞群を曖昧に定義し、分類が明確にできないことになる。

これは、実際の生命現象とは飛び違う間違った結果分析を招来し、究極的には効率的な新薬開発ターゲットの発掘は不可能になる。

このような問題を解決するために、ソウル大学校医学大学のハン・ボム/ジョン・ギフン教授の研究チームは、
細胞の分類を先行せずに新薬開発ターゲットマーカー遺伝子を効率的に発掘できる人工知能「MarcoPolo(マルコポーロ)」を開発した。

当該アルゴリズムは単一細胞の転写体データを統合的に分析してマーカー遺伝子を探し出すため、
従来の先制的・人為的な細胞分類は必要としない。
従って、マーカー遺伝子を探し出すために人間がマニュアルで細胞分類を先行しなければならない、との従来の固定観念から抜け出して、
発想の転換を通じて人工知能に重要遺伝子を探し出すようにしたこと。
これにより、細胞の分類の際に発生される誤りを根本的に避けることが出来るようになった。

特にアルゴリズムはどんなバイアス(bias)も持たなくデータを全体的に見晴らしながら遺伝子を探し出すため、
歴史で広々とした未知の海を航海して新世界であったアジアを探し出して東方見聞録を編纂した「マルコポーロ」の名前を付けた。

一例として、同研究チームはマルコポーロを人間の肝臓データに適用し、
従来の方法論では探し出せなかった重要マーカー遺伝子(GNLY遺伝子)を見つけて、
また、人間の幹細胞データに適用して、従来の方法論では同定できなかったマーカー遺伝子(NODAL遺伝子)の発掘に成功した。

研究を主導したハン・ボム教授とジョン・ギフン教授は
「単一細胞RNAシークエンス分析法基盤の重要マーカー遺伝子の発掘は、がんや免疫疾患などの発病メカニズムを深く理解して、
それを基に効率的な新薬開発を成功的に進めることにおいてとても重要な役割をするはず」と述べた。

今回の研究は生物学分野のグローバルジャーナルである「Nucleic Acids Research」に
「マルコポーロ:事前クラスタリングに依存せずに単一細胞RNA-seqデータから選択的に発現される遺伝子を発見する方法
(MarcoPolo: a method to discover differentially expressed genes in single-cell RNA-seq data without depending on prior clustering)」
とのタイトルで4月14日掲載されて、コード及びデータセットは現在ギットハーブに公開されている。



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ソース:韓国『人工知能新聞』 http://www.aitimes.kr/news/articleView.html?idxno=25000