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連続血糖、スマートレンズにて「リアルタイム」測定…POSTECHのHAN教授チーム、高敏感度の糖センサーを具現

2022-04-04    hit . 59868


研究者対象の臨床試験で着用した無線駆動スマートコンタクトレンズのイメージ

2022.04.04 10:45

グーグルレンズで知られた、涙液内の糖を分析して糖尿病を診断するコンタクトレンズ技術はもうすでに話題になったことがあるが、
糖センサーの敏感度が低くて血糖と涙液糖の相関関係が検証されなかったため、臨床試験が中断された。

ここで韓国の研究チームにより、リアルタイムで血糖を正確に診断できるスマートコンタクトレンズが新しく開発された。

POSTECH(ポハン工科大学)の新素材工学科のS.K.HAN(ハン・セグァン)教授・S.K.KIM(キム・スキョン)博士の研究チームは
スタンフォード大学のZhenan Bao(ジェナン・バオ )教授、PHI BIOMED社のS.B.SHIN(シン・サンベ)博士と共同で
連続血糖測定用のスマートコンタクトレンズを開発した。

これにより、持続的な採血が必要な糖尿病患者の負担を大きく減らすことができると期待される。

血糖の調節のためには薬を服用する糖尿病患者は低血糖になる危険性があるが、
高血糖だけではなく低血糖によっても様々な合併症が誘発されることがあるため、
低血糖と高血糖の全てが測定できる糖センサーの技術開発が必要である。

当研究チームは、多孔性高分子ハイドロゲルに、バイメタルナノ触媒を充填することに成功、糖センサーの反応速度と敏感度を高めた。
微量の涙液の成分が円滑に移動されるよう、多孔性構造として作られたハイドロゲルに、
バイメタルナノ触媒と糖酸化酵素を充填して糖センサーを製作した。

ブドウ糖が入っている涙液が多孔性ハイドロゲルに早く吸収されて糖酸化酵素と反応するようになり、
この時生成される電子の移動で電流の変化が生ずる。
多孔性ハイドロゲルに充填されたバイメタルナノ触媒は糖酸化反応を早く活性化させる役割をするが、
これによって血糖をリアルタイムで正確に測定できることが大きい長所である。

当研究の結果、レンズに装着された糖センサーの応答時間が、従来のスマートコンタクトレンズの半分の水準まで早くなり、
3週以上再現性ある高敏感度の糖分析が可能になったのが確認された。
30羽以上のウサギ利用実験と、研究者を対象にした臨床試験でもスマートコンタクトレンズで分析した涙液内の糖の数値が
従来の血糖測定器を用いた血糖数値とよく一致することが確認された。

今回開発された高敏感度、リアルタイムモニタリング・スマートコンタクトレンズの診断システムは、
多様なバイオマーカーの分析に適用可能になって、色々の難治性疾患の診断にも活用できると期待される。
今回の研究は韓国中小ベンチャー企業部、韓国研究財団、米国国立保健院の支援を受けて遂行された。

研究を主導したHAN教授は、「糖尿の診断スマートコンタクトレンズの臨床試験のためのサンプル製造のために、
InterRojo社と委託生産MOUを締結し、研究者での臨床試験結果に基づいて、延世大学セブランス眼科病院のT.I.KIM(キム・テイム)教授チーム、
高麗大学アンサン病院糖尿専門医のN.H.KIM(キム・ナンヒ)教授チームと共同で臨床試験を成功的に行って
糖尿患者のQOL(クォリティー・オブ・ライフ)の向上に大きく寄与したい」と述べた。

一方、今回の研究成果は世界的な国際学術誌であるアドバンスドマテリアルズ(Advanced Materials)に
「バイメタル触媒充填ナノ多孔性ハイドロゲルを利用した連続糖尿モニタリングスマートコンタクトレンズ
(Bimetallic Nanocatalysts Immobilized within Nanoporous Hydrogels for Long-term Robust Continuous Glucose Monitoring of
Smart Contact Lens)」とのタイトルで、3月23日に掲載された。


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ソース:韓国『人工知能新聞』 http://www.aitimes.kr/news/articleView.html?idxno=24712