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人工知能で走査型電子顕微鏡の限界を克服する… POSTECH-韓国材料研究院の研究チーム、微細組織イメージの超解像化AI技術開発

2021-07-13    hit . 60504


2021.07.13 09:25

現代の材料科学研究において走査型電子顕微鏡のイメージは、微細組織の視覚化、特性化、数値的解析に至るまで
新素材の開発過程全般において有効に活用されている。

しかし、電子顕微鏡のハードウェア的な限界により、高品質の微細組織イメージデータの取得が制限されたり、
取得するのに長い時間を要することがある。 これは、その後行われる材料分析の精度に影響を及ぼしかねないため、
既存ハードウェアの技術的限界を克服する新たな技術開発が求められてきた。

最新の8Kプレミアムテレビに適用される人工知能(AI)超解像技術が、
材料科学研究の必須装備である走査型電子顕微鏡の映像に適用されたらどうなるだろうか。

それでPOSTECH(浦項(ポハン)工科大学校)と韓国材料研究院の共同研究チームは、走査型電子顕微鏡に人工知能技術を適用することで、
既存の分析装備から得られた低解像度の電子後方散乱回折(EBSD)微細組織のイメージを超解像度イメージに変換できる
超解像イメージング技術を開発した。

共同研究チームは人工知能技術を活用して、より速くてより正確な微細組織イメージング技法を開発した。
特に、コンボリューションニューラルネットワーク(Convolutional neural network)を利用して既存の微細組織イメージの解像度を
4倍、8倍、16倍まで引き上げ、これは既存の走査型電子顕微鏡システムと比較して映像化に消耗する時間を最大256倍に短縮する結果である。

また、超解像化された結果は、微細組織の特性化及び有限要素の解析を通じて
微細組織の形状学的な情報を高い正確度で復元できることを検証した。

今回の研究を主導したPOSTECHのH.S.KIM(キム·ヒョンソプ)教授は
「今回開発されたEBSDイメージ超解像化技法を通じて、新素材開発過程に消耗される時間を画期的に短縮できると期待される」と述べた。

一方、今回の研究はネイチャー紙のパートナーシップジャーナルである「Npj Computational Materials」に
ディープラーニング基盤の材料微細構造イメージ超解像化(Super-resolving Material Microstructure Image via
Deep Learning for Microstructure Characterization and Mechian)というタイトルで6月25日掲載された。


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