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甲状腺がん、人工知能で診断! POSTECHのC.H.KIM教授チーム、マシンラーニング基盤の光音響分析で

2021-06-30    hit . 60496


2021.06.30 10:08

一般的に甲状腺にこぶが生ずるのを甲状腺結節といい、全体甲状腺結節の5~10%は甲状腺がんと診断される。

甲状腺がんは治療予後が良くて生存率も高く、再発も少ないため早期診断と早期治療が特に重要である。
韓国内の研究チームが光音響および超音波と人工知能(AI)技術を結合して、非侵襲検査で甲状腺結節とがんを区分する方法を提案した。

POSTECH(浦項(ポハン)工科大学校)電子電気工学科・IT融合工学科・機械工学科の
C.H.KIM(キム·チョルホン)教授·B.R.PARK(パク·ビョルリ)博士の研究チームは
カトリック大学校ソウル聖母病院のD.J.LIM(イム·ドンジュン)教授·J.H.HA(ハ·ジョンフン)教授の研究チーム、
釜山(プサン)大学校のJ.S.KIM(キム·ジス)教授との共同研究を通じて、
実際の甲状腺悪性結節患者と良性結節患者から光音響映像を通じて人工知能(AI)で分析した。

現在、甲状腺結節患者に対する診断は、超音波映像を用いた微細針吸引生検(FNAB、fine-needle aspiration biopsy)を利用して行われる。
しかし、FNABの約20%が正確でないという報告があり、それにより不要な検査が繰り返される問題がある。

このような問題を克服するために、光を利用して超音波信号を得る光音響映像法が適用された。
光(レーザー)を患者の甲状腺結節に照射すると、甲状腺と結節部位から超音波信号が発生する。

この信号を獲得して処理すれば甲状腺と甲状腺結節の光音響映像を得ることができる。
この時、複数の光を利用して光音響信号を獲得すると、甲状腺及び甲状腺結節の酸素飽和度の情報を得ることができる。

研究チームは悪性結節の酸素飽和度が正常結節の酸素飽和度より低いという点に着目して、
甲状腺悪性結節患者(23人)と正常(良性)結節患者(29人)を光音響超音波で撮影し、映像を獲得して分析した。

様々な色の光を用いて患者の甲状腺結節から光音響映像を得て、これを通じて酸素飽和度等の情報を計算した。
これをマシンラーニング技法で分析して、甲状腺結節が悪性であるか良性であるかを成功的に自動分類した。

1次分類結果では、悪性を悪性に分類する敏感度が78%、良性を良性に分類する特異度が93%を示した。

2次でマシンラーニング技法により得られた光音響分析結果と病院で使用される超音波映像基盤の初期検診結果を結合した。
ここでも83%の敏感度と93%の特異度で悪性甲状腺結節を区分できることを確認した。

さらに一歩進んで3次分析で敏感度を100%に維持した時、特異度は55%が出る結果を得た。
これは既存の超音波を用いた甲状腺結節初期検査の特異度17.3%より(敏感度は98%)約3倍高い数値であった。

結果的に悪性ではない良性結節を良性結節とちゃんと診断する確率が3倍以上高くなり、
これは過剰診断及び不要な生検と反復検査を画期的に減らして、過度な医療費用を減らせることを示している。

POSTECHのC.H.KIM(キム·チョルホン)教授は「この研究は初めて甲状腺結節に対する光音響映像を獲得して、
マシンラーニング技法を適用した悪性結節分類という点で価値を持つ」とし
「当該研究結果を見ると、甲状腺患者に対する初期検査で不要な生検を最小化できるだけでなく、
当技術は乳がん等の様々な他のがんにも適用できる」と述べた。

ソウル聖母病院のD.J.LIM(イム·ドンジュン)教授は「光音響映像を基にした超音波機器は最近健康検診や診療中に発見される
多くの甲状腺結節において組織検査回数を減らし、効果的に甲状腺がんを診断するのに大きく役立つ」とし
「追加的臨床研究を通じて多くの甲状腺結節患者に容易く適用できる医療機器として開発できる」と付け加えた。

一方、今回の研究は世界的ながん研究学術誌である「 Cancer Research」に「マシンラーニングを基盤とした甲状腺結節の多重媒介変数光音響分析
(Multiparametric Photoacoustic Analysis of Human Thyroid Cancers InVivo-見る)」とのタイトルで6月21日に掲載された。


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